第1話 宇宙人とも手を取り合って

もうずいぶん前のことですが久しぶりの正月を日本で過ごしたときのこと。つい懐かしくてNHKの紅白歌合戦を観ていたら、ある歌手が出てきて曲名は忘れましたが「hand in hand, hand in hand. We are not alone.」と熱唱していました。それを聞いて私は、はたと考えてしまいました。We are not alone. とは一体どういう意味なのかと。

おそらく彼は、「僕たちは一人じゃないんだ」ということを歌いたかったのだと思うのですが、Alone という英語には残念ながら「一人」という意味はありません。昔スピルバーグの映画「未知との遭遇」のポスターに、「We are not alone - 宇宙にいるのは我々だけではない」とありました。有名なボブ・スキャッグスの名曲に「We Are All Alone」というのがありますが、邦題が「二人だけ」となっています。なんでそんな訳になるのか子供のころはわかりませんでしたが、Aloneの意味を正しく理解できたときに合点が行きました。Alone という単語は「ただ〜だけで」という意味で、この場合は「ただ We だけ」ということになります。We が地球であれば確かに「地球人だけではない」となるし、ラブソングであれば We は「二人だけ」になるでしょう。例の日本の歌手は一体何をさして We と言っているのでしょうか。We が地球人なら、スピルバーグと同じように、「宇宙人とも手をとりあって仲良くしましょう」という歌になるし、We が日本人なら「外国の人たちとも仲良くしましょう」という歌になるし、We がカップルなら「自分たちだけじゃなくて他のカップルとも仲良くしましょう」という歌になるし...。

ジョン・レノンの遺作に「Real Love」という名曲があり、サビで彼はこう歌います。「No need to be alone...」。これは明らかに「You」が主語ですからこの場合は「君は一人じゃないんだ」と言っています。その歌手も紅白で「You are not alone」と歌えばよかったのではないでしょうか。

しかし、紅白のような全国中継の番組でだれも抗議の電話をしなかったのでしょうか。

第2話 変態性欲少年

大前健一が以前、「近畿」とか「Kinki」という言い方をなるべく使わないほうが良いと何かの著書に書いていましたが、私も同感です。なぜかというと「Kinki」という単語は英語圏の人には、非常に良く似た単語「kinky」を連想させてしまい、最悪なことに発音はほぼ同じです。「kinky」というと「変態性欲な」とか「異常性癖な」という意味があって(詳しくは辞書をご覧になってください)、私はアメリカ人が「Kinki Tetsudo」と書かれたのを見て笑っている姿を何度も目にしました。「近畿」という言葉にはなんの罪もなくて、学生時代を関西で過ごした私は同情の念がこみ上げてきますが、ローマ字で「kinki」とは書かないことをお勧めします。

そういえば、Kinki Kids というグループがいました。さすがは吉本興業、知っていてわざと名づけたのでしょうか。

to be continued...