本当の語学力とは何か。それを理解しないと本当の語学力は身につかない。

撮影 浅井岳史 大学のフランス語の授業である日先生が言いました。「J'ai quatre enfants.」という文を「私は quatre enfants を持っています。」と訳せれば十分だ。quatre や enfants の意味を知っているからってフランス語を知っていることにはならない。重要なのは文の構造を理解するということだ。

私はびっくりすると同時に嬉しくなりました。私の英語の勉強方は正しかったことが証明された瞬間だったからです。その詳しい方法は次章で述べますが、その前に英語で実例を披露したいと思います。皆さんは次の文章が訳せますでしょうか。ちなみにこれは私の高校一年の英語の教科書に実際載っていた文です。

I found the land flat.

「私は平らな土地を発見した。」と訳した方は、単語は知っているけど英語を知らない人です。その人はいくら頑張ってもそのままでは本当の英語力は身につかないでしょう。仮に flat という単語の意味が分からなくても、文の構造が S+V+O+C であることがわかって「私は土地が flat であることを発見した。」と訳した方、それは英語を知っている人です。もうお分かりでしょうか。 文の構造から flat が形容詞だということが分かれば、その単語の訳を知っているか知らないかなんて大した問題ではないんです。日本人は中学から訳すことばかりに労力を使っていましたが、本当に重要なことは訳ではなくて英語の文の構造を理解するということです。

そして驚くべきことに、英語にはたった5つの文型しかありません。

第一文型 S+V
第二文型 S+V+C
第三文型 S+V+O
第四文型 S+V+O+O
第五文型 S+V+O+C

従って、どんな高度で長い文章でも、歌詞や、文学でも、すべてこのどれかに当てはまります。英語の勉強とは何か、それは一日でこの五文型を勉強し、あとはひたすら文章を読んで、あるいは英語を聞いて、この五文型の分析を実践していくことなのです。ある大リーグの投手が、「ナックルボールは一日で投げ方を習い、あとはひたすら投げ続けることだ。」と言っていますが、英語の習得も非常に似たところがあります。となると本当の語学力とは何か、それは、この五文型のパターンを駆使して文章を理解し、書いたりしゃべったりできる力です。服を作る時にパターンを作るでしょう。それがあれば、生地さえあれば無限に服を作ることができるようになります。このパターンを使えば、覚えたフレーズを並べるのではなくて、表現したいことが英語で自由に書いたり、しゃべったりできるようになります。

高校一年の時の担任がある日こう言いました。「今日から共通一時(今でいうセンター試験)まで700日しなかい。一日に5個ずつ英単語を覚えると3500、中学で覚えた単語がおよそ1000個だからあわせて4500語。大学入試には6000語必要となるから君たちは今から頑張って欲しい。」くそっ食らえです。その生物の先生ははやり英語ができなかったそうです。何も知らない高校生の私は、クラスメートにならって、「試験によくでる英単語」なるものを買ってきて、最初のページで挫折しました。

今から思えば挫折して本当に良かったと思います。それから私はこれから説明する「本当の英語力を身につける」学習方法を見つけ、英語に最低限の時間を使って大学入試も乗り越え、後々アメリカで仕事をするのに支障の無い英語力を身につけることができたからです。巷には、「試験によくでるなんたら」とか「試験によくでるかんたら」などが氾濫していますが、どうかみなさん騙されないでください。本当の語学力とは文の構造を理解する能力であり、英単語を覚えることではありません。英語の構造を理解し文章を読んでいけば単語力はおのずとついてきます。その理解がないと、英語は何かの暗記ものになってしまい、絶対に頭には残りません。そうなると今までの勉強時間と労力がすべて無駄になり、それならいっそうのこと他に時間を使った方がましだと私は思います。