本当の英語力が全身に充満したる丈夫の起こり来たらんことを

NY クライスラービル 撮影 浅井岳史 私が日本の会社を辞めて渡米したのは1992年夏、その秋の大統領選挙で共和党のブッシュ(パパブッシュ)が破れ、民主党の史上最年少大統領クリントンが当選しました。それと同時に大統領のブレーンから日本の専門家がいなくなりました。以来11年、湾岸戦争から日本のバブル経済破綻で国際社会での日本の立場は見る見るうちに侵食し、私はアメリカの日本に対する期待が崩れていくのを目の当たりにしてきました。私は専門家ではないのでなぜ政府が10年以上も景気を回復できないでいるのかはわかりませんが、一つ言えるのは日本から国際社会の一員として声がまったく聞こえてこないことです。(日本にいても政府から何も聞こえてこないという説もありますが...)

私はミュージシャンのアルバイトでよくボストンに訪れてくるビジネスマンや、教育界の方々の通訳をしていましたが、いくら立派な役職を持ったかたでも英語力はお粗末でした。したがってアメリカのビジネス・パートナーの発するメッセージやニュアンスを正確に理解できた方は少ないのではないのかと心配になりました。同じ思いは日本の政治家たちを見ていても起こります。

日本語と英語には言語的にも文化的背景にも大きな隔たりがあり、本当に両方の言語を理解ししかも専門の知識をもった日本人はなかなか見当たりません。でも、今こそ本当に日本を代弁し、国際舞台で活躍する人がもっともっと出てこなくてはならないのではと思います。通訳は英語の専門家ですが、日本を代弁し意思決定をすることはできません。

英語の習得は本当に大変なことかもしれません。でも、私は自分の青春と専門の勉強を英語ごときの勉強で犠牲しないで、いやそれどころか英語を身につけることでもっと素晴らしい青春と世界に通用する専門性を得て本当に豊かな自分を実現することができると信じています。皆さんが「本当に使える英語」をマスターし、人生を謳歌される道具にされんことを望んで止みません。

2003年5月11日、グリニッジにて